LUNG ラング　初回限定版Blu-ray 外国映画

いつも思うが、フィリピンの俳優陣はまるでドキュメンタリーと思わせる程の迫真の演技が見られます。

2023/06/05 01:35

フィンランドの継続戦争を描いた作品。日本人としてはあまり馴染みがない戦いの名前です。物語はソ連との冬戦争を経て、領土の１割とカレリア地峡の割譲を余儀なくされたフィンランド。その後、同盟国ナチスドイツがソ連に侵攻し、ソ連に宣戦布告。冬戦争から繋がる継続戦争を開始しました。フィンランドは地政学上、ソ連（ソ連第二の都市レニングラード）に近く、独立を守るためには国民のほとんどが兵士となって戦わざるを得ない宿命にありました。長年の間、ソ連の侵攻に悩まされていたのです。そんな継続戦争の兵士たちを描いた本作。なんの変哲もない一般市民が兵士となり戦います。中には若い兵士も多数。殆どが戦死してしまうのですが、淡々と物語は進んでいきます。結果的に休戦となり、ドイツと同盟国であったフィンランドは枢軸国として扱われ、ソ連に賠償金と戦略上重要なポルッカラや一部の領土を失うことになります。頼みの綱だった同盟国のドイツはソ連に敗北し崩壊。祖国を守るためには自分たちで戦わなければならないことを思い知らされます。今もロシアとウクライナの間で戦争が起きていますが、自国が侵略された時に真っ先に血を流すのはその土地に住む国民です。アメリカと同盟関係にある日本でも同じことが言えるのでは？

2023/06/04 23:24

素晴らしい。祖国のために倒れた人々に敬意を表します。ハリウッド映画とは異なるソ連と対峙した当事国だからこそ語れる傑作映画です。もっと多くの人々に見てほしい隠れた名作です。

2023/06/04 20:58

家族の絆！平和ボケを治す一本に！

2023/06/04 17:02

当たり前ですが、見ていて楽しくなる映画ではありません。フィンランドというと勇敢にソ連に立ち向かって退けた英雄的なイメージがありますが、本作ではマンネルヘイムやシモ・ヘイヘのような人物は出てきませんし、出てくる兵士はとにかく平凡な人物ばかり、上官も立場があるとはいえ無理を押し付けてきて嫌になります。政治家に対しても美化するような描写はなく、敗戦に対する認識も独立を守ったとは言うものの一矢報いたといった気持ちもなく屈辱的です。この映画は最も多くのフィンランド人が見たとのことですので、最もフィンランド人の戦争に対する価値観に近いのでしょう。

2023/06/04 16:34

第二次大戦中に於けるフィンランドの立場を取り上げた内容で、少し風變わり、戦争モノと謂うよりもドラマですね。主張は、フィンランドの立場は一貫して祖國防衛であり、その為に必要な事をした。獨逸と手を組みもし、獨逸と手を切る事もあった。一貫して、ソ連から國土を守るためだったのだ、という内容です。2019年になって本作が出てきたのは、今のEUがある面で「ソ連」化しつつあるからかも知れません。　主人公のロッカはソ連との冬戦争で失った土地に家を持つ地元民で、ベテランの下士官です。第二次大戰で獨逸と組み、一旦はカレリア地方を囘復しますが、戦功によりもらった休暇で自宅に戻っても、家畜の手入れや農作業が待っている、戰闘も森林に狩に行くプロの猟師の様な感じで憎しみも恐怖も無く淡々と仕事をこなす、、、一方で、訓練不足の新兵は國家防衛の意識は高いがどんどん消耗させられて行く、、、此のような二つの丗界が美しい森林風景の中で繰り広げられます。　ソ連への批判よりも、現場の事が解っていないフィンランド軍上層部の無能さのために多くの将兵が犠牲になった事への批判の方が目立ちます。とうとう、撃たれて戰死したか、と思われたロッカがひょっこり帰って來た場面で話は終わりますが、喜びに満ちた妻の態度と對象的に嘗ては父の帰りを小躍りして喜んでいた娘が複雑な表情を浮かべているところに何か含みがあります。國家の立場が轉換する中で土地と家を失ってしまった一家の苦渋を象徴しているのでしょうか。　半分牧歌的な前線の様子が實情をどの程度反映しているのか能く判りませんし、話が延々と續くので少々退屈ではありますが、面白い作品ではあります。

2023/06/04 15:03